HOME > ペットドッグトレーナーを活かせる仕事一覧 > ドッグトレーナー×トリマー
ペットドッグトレーナーを活かせる仕事一覧
< ドッグトレーナー×ペットホテル | 一覧へ戻る | ドッグトレーナー×ペットショップスタッフ >
ドッグトレーナー×トリマー
トリマーさんは1頭のワンちゃんと継続的に関わることのできる職業の一つです。飼い主さんはトリマーさんに自分の犬がストレスなくトリミングを終えることを望んでいます。
爪切りやブラッシング、カットなど苦手な事を無理矢理するのではなく、行動学に基づいた馴致をすることでワンちゃんは安心してトリマーさんに身をゆだねることができます。
また、トレーニング方法を身につけることで安全に効率よくお仕事ができ、ワンちゃんトリマーさん双方にとって良いことづくめとなります。
○トレーニングを学んでいる理由
トリマーという職業は、犬の姿形を美しく整えることだと考えていました。
しかし、1995年に起きた阪神淡路大震災の時に経験したことで、その考えは大きく変わりました。日本愛玩動物協会からの依頼で、被災動物の行動調査のボランティアをすることになり、避難所に何度も足を運んでいたのです。避難所では動物たちも、たくさんの人との共同生活になります。そのような急変した環境の中では、他の人を追い払うように吠え続けたり、下痢・嘔吐、皮膚炎・脱毛などを起こしてしまう犬もたくさんいたのです。そうなると他の避難者たちから「くさい」「うるさい」とクレームが出てきます。飼い主は犬の体調不良が心配なだけでなく、周りの人からのクレームに耐えられず、避難所を出て同じように犬を飼っている人と共にテント生活を送っている、などということもありました。
飼い主は臭い匂いがしなければ、少しでもお手入れができれば、吠えなければ、他の人にも受け入れてもらえるのではないかと話しておられたのです。
私は以前から動物病院でトリマー兼動物看護師としてケアをしていましたので、日頃から犬の体調をきちんと整えておくことの大切さは知っていました。なので、避難所でも出来る限り動物のケアをしましたが、「吠える」という問題については、どのように対処したらいいのかわかっていませんでした。それだけではありません。当時、働いていた動物病院でも、私は仕事中に犬に咬まれたり引っかかれたりと怪我ばかりしていたのです。その傷跡を見た行動調査のボランティアリーダーは、「犬の気持ちがわかっていない、勉強しなさい」と私に助言してくれました。
避難所で犬と暮らしている飼い主のお話を聞いたり、行動調査のボランティアリーダーの助言を受けたりすることで、犬の気持ちをわかることや、人間と犬とがお互いに信頼し合って生活するということの本当の大切さが見えてきました。
そして、それらの問題を対処するためのヒントが、ドッグトレーニングの考え方の中にあることに気がつきました。そのヒントは、私の仕事であるトリミングにも活かせられるのではないかと考えたのです。その時から私は、ドッグトレーニングを学ばなければいけないと思い始めたのです。
○なぜトレーニングの知識や技術が必要か?
トリマーはトリミングするためには、どんな犬でも触れることができるようになっておくことが大切だと思います。
咬みつく、暴れる、怖がっているなどの犬側の条件でトリミングができないとお断りすれば、飼い主はどんな気持ちになるのでしょう? もしかしたら、「プロでもトリミングすらできない犬と生活している」と落胆したり、またその犬のことが嫌いになったりしてしまうかも知れません。私はトリマーとして、飼い主にそんな気持ちになってもらいたくないのです。トリマーの仕事は、犬たちを清潔に可愛らしくトリミングして、飼い主の元に返すことだと思っていますが、犬が落ち着き、安心した様子で飼い主の元に戻ることができればより良いことだと思うのです。
私は私のトリミングの中に、安心と落ち着きも加えることができればと思っているのです。
そうすれば、犬を返された飼い主は、優しい気持ちで犬を受け取ることができるでしょうし、犬も一番安心できる状況になっているのではないかと思うからです。
けれども現実は、喜んで爪を切らせる、耳掃除させるという犬にほとんど出会ったことはありません。だからこそ、犬が苦手とすることを喜びに変える方法や、体に触られることに慣れるための方法を身につけたいと思っています。また犬の行動や身体の状態から犬の心を推察できる力なども身につけることができればもっと良いと思います。
これらのことに対する答えは、ドッグトレーニングの考え方や方法、技術、知識の中にたくさん見つけることができました。
○トレーニングを勉強してよかったことは?
トレーニングの考え方や方法、技術、知識などをトリミングのときに応用してみると、個々の犬の気持ちや身体の様子などについて、どういったところに気遣ってやらなければいけないのか、どのようなトレーニングが必要かを見つけることができるようになってきました。
例えば、体を触られることが極度に苦手な犬でも、どのような触られ方に抵抗を感じているのかをしっかりと観察し、近づき方を変えてみたりします。また、緊張して体が硬直し動くことができない犬でも、私の心を穏やかにし、動きをゆっくりすることで緊張をほぐしてやれるなどということがよくあるのです。
このように自分が実践して確かめたことが増えるにつれて、飼い主に犬との日常での関係の作り方や身体のケアについてのアドバイスができるようになってきました。いろいろな場面でトレーニングの技術を使ってみることで犬のことがよくわかり、飼い主に対していろいろな面から犬についての話ができるようになってきています。飼い主とは、その犬が持つ問題点と対処方法を実際に見てもらいながら話ができるので、飼い主も自分の犬の持つ問題を自分で解決できるようにもなってきています。私の仕事面から言いますと、飼い主が私のアドバイスを実行してくれて犬との関係が良くなってきている犬は、トリミングも抵抗なくさせてもらえるようになってきているのです。結果的には、私のトリミングで、犬にストレスを与えることが少なくなってきているのだと思います。
○トリマーとしてトレーニングを学ぶべきだと思うことは?
しっかりケアをするためには一頭一頭の犬と向き合い、犬の体の隅々まで触り、犬の状態をよく知ることが大切だと思います。トレーニングを学んでみると、犬としっかり向き合うことや、犬にあまりストレスをかけずに体の隅々まで触ることができるようになってきたと思います。犬が体を触らせるということは、その犬と落ち着いた関係がつくれるようになってきたということになるのではないでしょうか。
犬が落ち着いていると次のような細かい観察もできます。爪が伸びすぎて肉球が歪んでいないか、爪を噛んでいないか、耳に炎症や汚れはないか、目に充血や傷・逆まつ毛はないか、被毛がもつれたり乾燥しすぎたりしていないか、皮膚にべたつきや炎症はないか、など外面的な部分がよく見えてくるのです。
それだけでなく、ハウスでトリミングやお迎えを待っているときなどの様子からも、いろいろなことがわかるようになってきました。何げない姿勢や行動などを観察することからわかってくることもあります。
吠えていないか、落ち着きなく動き回っていないか、背中が丸くなっていないか、頭が下がっていないか、尾が下がったり股に挟まれたりしていないか、音に過敏な反応をしていないか、などで犬の気持ちや心の状態などの内面的な部分も見えてくるのです。トリマーは外面的に犬を綺麗にするだけでなく、内面的なところを見て、犬が活き活きと生活を楽しめるようケアすることもできる仕事ではないでしょうか。私はトリマーとして犬の外面的・内面的状態がどうなっているのかをしっかり捉え、判断し、犬たちが心身共に健康で過ごせるようにケアする力を身につけたいと思っています。
DOG SALONちび
大阪府高石市南海本線北助松駅前通り商店街にあるトリミング・しつけ教室DOG SALON
DOG SALON ちび はワンちゃんと飼い主さんに健康で楽しい毎日を送ってもらいたい、そういうお手伝いができたらいいなぁって思ってつくったお店です。
爪切りやブラッシング、カットなど苦手な事を無理矢理するのではなく、行動学に基づいた馴致をすることでワンちゃんは安心してトリマーさんに身をゆだねることができます。
また、トレーニング方法を身につけることで安全に効率よくお仕事ができ、ワンちゃんトリマーさん双方にとって良いことづくめとなります。
現場からの声
DOG SALONちび オーナー 寒 章子(かん しょうこ)さん○トレーニングを学んでいる理由
トリマーという職業は、犬の姿形を美しく整えることだと考えていました。
しかし、1995年に起きた阪神淡路大震災の時に経験したことで、その考えは大きく変わりました。日本愛玩動物協会からの依頼で、被災動物の行動調査のボランティアをすることになり、避難所に何度も足を運んでいたのです。避難所では動物たちも、たくさんの人との共同生活になります。そのような急変した環境の中では、他の人を追い払うように吠え続けたり、下痢・嘔吐、皮膚炎・脱毛などを起こしてしまう犬もたくさんいたのです。そうなると他の避難者たちから「くさい」「うるさい」とクレームが出てきます。飼い主は犬の体調不良が心配なだけでなく、周りの人からのクレームに耐えられず、避難所を出て同じように犬を飼っている人と共にテント生活を送っている、などということもありました。
飼い主は臭い匂いがしなければ、少しでもお手入れができれば、吠えなければ、他の人にも受け入れてもらえるのではないかと話しておられたのです。
私は以前から動物病院でトリマー兼動物看護師としてケアをしていましたので、日頃から犬の体調をきちんと整えておくことの大切さは知っていました。なので、避難所でも出来る限り動物のケアをしましたが、「吠える」という問題については、どのように対処したらいいのかわかっていませんでした。それだけではありません。当時、働いていた動物病院でも、私は仕事中に犬に咬まれたり引っかかれたりと怪我ばかりしていたのです。その傷跡を見た行動調査のボランティアリーダーは、「犬の気持ちがわかっていない、勉強しなさい」と私に助言してくれました。
避難所で犬と暮らしている飼い主のお話を聞いたり、行動調査のボランティアリーダーの助言を受けたりすることで、犬の気持ちをわかることや、人間と犬とがお互いに信頼し合って生活するということの本当の大切さが見えてきました。
そして、それらの問題を対処するためのヒントが、ドッグトレーニングの考え方の中にあることに気がつきました。そのヒントは、私の仕事であるトリミングにも活かせられるのではないかと考えたのです。その時から私は、ドッグトレーニングを学ばなければいけないと思い始めたのです。
○なぜトレーニングの知識や技術が必要か?
トリマーはトリミングするためには、どんな犬でも触れることができるようになっておくことが大切だと思います。
咬みつく、暴れる、怖がっているなどの犬側の条件でトリミングができないとお断りすれば、飼い主はどんな気持ちになるのでしょう? もしかしたら、「プロでもトリミングすらできない犬と生活している」と落胆したり、またその犬のことが嫌いになったりしてしまうかも知れません。私はトリマーとして、飼い主にそんな気持ちになってもらいたくないのです。トリマーの仕事は、犬たちを清潔に可愛らしくトリミングして、飼い主の元に返すことだと思っていますが、犬が落ち着き、安心した様子で飼い主の元に戻ることができればより良いことだと思うのです。
私は私のトリミングの中に、安心と落ち着きも加えることができればと思っているのです。
そうすれば、犬を返された飼い主は、優しい気持ちで犬を受け取ることができるでしょうし、犬も一番安心できる状況になっているのではないかと思うからです。
けれども現実は、喜んで爪を切らせる、耳掃除させるという犬にほとんど出会ったことはありません。だからこそ、犬が苦手とすることを喜びに変える方法や、体に触られることに慣れるための方法を身につけたいと思っています。また犬の行動や身体の状態から犬の心を推察できる力なども身につけることができればもっと良いと思います。
これらのことに対する答えは、ドッグトレーニングの考え方や方法、技術、知識の中にたくさん見つけることができました。
○トレーニングを勉強してよかったことは?
トレーニングの考え方や方法、技術、知識などをトリミングのときに応用してみると、個々の犬の気持ちや身体の様子などについて、どういったところに気遣ってやらなければいけないのか、どのようなトレーニングが必要かを見つけることができるようになってきました。
例えば、体を触られることが極度に苦手な犬でも、どのような触られ方に抵抗を感じているのかをしっかりと観察し、近づき方を変えてみたりします。また、緊張して体が硬直し動くことができない犬でも、私の心を穏やかにし、動きをゆっくりすることで緊張をほぐしてやれるなどということがよくあるのです。
このように自分が実践して確かめたことが増えるにつれて、飼い主に犬との日常での関係の作り方や身体のケアについてのアドバイスができるようになってきました。いろいろな場面でトレーニングの技術を使ってみることで犬のことがよくわかり、飼い主に対していろいろな面から犬についての話ができるようになってきています。飼い主とは、その犬が持つ問題点と対処方法を実際に見てもらいながら話ができるので、飼い主も自分の犬の持つ問題を自分で解決できるようにもなってきています。私の仕事面から言いますと、飼い主が私のアドバイスを実行してくれて犬との関係が良くなってきている犬は、トリミングも抵抗なくさせてもらえるようになってきているのです。結果的には、私のトリミングで、犬にストレスを与えることが少なくなってきているのだと思います。
○トリマーとしてトレーニングを学ぶべきだと思うことは?
しっかりケアをするためには一頭一頭の犬と向き合い、犬の体の隅々まで触り、犬の状態をよく知ることが大切だと思います。トレーニングを学んでみると、犬としっかり向き合うことや、犬にあまりストレスをかけずに体の隅々まで触ることができるようになってきたと思います。犬が体を触らせるということは、その犬と落ち着いた関係がつくれるようになってきたということになるのではないでしょうか。
犬が落ち着いていると次のような細かい観察もできます。爪が伸びすぎて肉球が歪んでいないか、爪を噛んでいないか、耳に炎症や汚れはないか、目に充血や傷・逆まつ毛はないか、被毛がもつれたり乾燥しすぎたりしていないか、皮膚にべたつきや炎症はないか、など外面的な部分がよく見えてくるのです。
それだけでなく、ハウスでトリミングやお迎えを待っているときなどの様子からも、いろいろなことがわかるようになってきました。何げない姿勢や行動などを観察することからわかってくることもあります。
吠えていないか、落ち着きなく動き回っていないか、背中が丸くなっていないか、頭が下がっていないか、尾が下がったり股に挟まれたりしていないか、音に過敏な反応をしていないか、などで犬の気持ちや心の状態などの内面的な部分も見えてくるのです。トリマーは外面的に犬を綺麗にするだけでなく、内面的なところを見て、犬が活き活きと生活を楽しめるようケアすることもできる仕事ではないでしょうか。私はトリマーとして犬の外面的・内面的状態がどうなっているのかをしっかり捉え、判断し、犬たちが心身共に健康で過ごせるようにケアする力を身につけたいと思っています。
DOG SALONちび
大阪府高石市南海本線北助松駅前通り商店街にあるトリミング・しつけ教室DOG SALON
DOG SALON ちび はワンちゃんと飼い主さんに健康で楽しい毎日を送ってもらいたい、そういうお手伝いができたらいいなぁって思ってつくったお店です。