犬の百科事典
ら行
ら行
犬のトレーニングに関する用語や道具、動物行動学に関する用語をまとめた「犬の百科事典」です。専門学校などで愛玩動物看護師むけに講義を行ったり、教科書を執筆している講師が学術的な定義を基に、客観的かつ端的にまとめてありますのでご活用下さい。
執筆者:鹿野正顕(学術博士)、長谷川成志(学術博士)、岡本雄太(学術博士)、三井翔平(学術博士)、鈴木拓真CPDTーKA
リミテッドスリップカラー
限定した範囲で止まる構造をしているの首輪で、引っ張っても首を締め過ぎない。顔を通すだけなので着脱が容易。間違えたサイズで装着すると抜けやすくなったり首を締めすぎるので注意が必要。締まる部分が鎖で出来ているハーフチョークカラーは、鎖が擦れる音をチョークチェーンなどで二次性罰子として学習させた個体に装着することでトレーニングに応用することが可能である。ルアー
目的の反応をより早く形成させるために提示するプロンプトで、食べ物などの強化子のことを指す。食べ物を手に持ち、見せながら誘導し反応を形成するので人道的で効率の良い手法であるが、ルアーへの動機づけが強い場合、反応に連合させたい言葉の合図やハンドサインを隠蔽してしまうことで、食べ物を持っていないと反応してくれないなどこちらが意図する反応を形成できなくなる場合もある。誘導する手と強化子を与える手を別々にすることで、早い段階で誘導する手に食べ物などの強化子を持たなくてもハンドサインと反応を連合させることは可能である。連続強化(オペラント条件付けにおける)
オペラント条件付けを行う際、動物の反応がある度に、毎回強化子を与える手続きをいう。一般的に部分強化と比べ速やかに反応率が上昇する。ただし、強化子を与え続けることでモチベーションの低下を引き起こし、反応が悪くなるため、学習が成立した段階で部分強化(特に変動比率スケジュール)に遷移した方が良い。連続強化(古典的条件付けにおける)
条件刺激と無条件刺激を毎回対呈示する手続きをいう。部分強化に比べると、消去が速やかに生じる。ロングリード
通常のリードよりも長いリードで、数メートルから長さは様々あり、イヌを遊ばせたり、呼び戻しのトレーニングをする目的などで使用する道具。地方自治体によっては公園内でも条例でロングリードや伸縮性のリードなどの使用が禁止されている場所もあるので注意が必要。他の人やイヌに危害を加えないような場所で安全に使用することがイヌを飼育する飼い主のマナーとして日ごろから守らなければならない。執筆者:鹿野正顕(学術博士)、長谷川成志(学術博士)、岡本雄太(学術博士)、三井翔平(学術博士)、鈴木拓真CPDTーKA